ラ(ブ)

あらすじ

敏腕金融マンは、親友とハイキングの旅へ行くことに。それは、恋人と上手くいっていない友への本当の想いを知る旅となる。2人の間に大きな変化が生まれてゆく。

ゲイ的見どころ

元恋人同士の若手ミュージシャンのサヒルと、敏腕金融マンのジェイの再会から物語は始まります。 ホテルでジェイは仕事の商談をしています。 その最中にオーディオケーブルを探しに来たサヒル。 オープンゲイのサヒルはケーブルを受け取り、去り際にジェイの頬にキスをする。 インド社会は同性愛に否定的です。 そのため、その場が一瞬凍りつきます。 場をわきまえないサヒルに苛立つジェイ。 自由奔放なサヒルに対して、若くして成功したジェイ。 変わらないサヒルと変わっていったジェイ。 怒りに身を任せジェイはサヒルに乱暴を働きます。 原題の「LOEV」は意図的にスペルミスをしています。 どういった意味があるのかは分かりません。 作中の2人の、ボタンを掛け違えてしまったような愛を表現したのかもしれません。 サヒル役のドゥルーヴ・ガネーシュは残念ながら、映画公開前に結核で亡くなられたようです。

監督出演

監督: スダーンシュ・サリア

出演: シヴ・パンディット, ドゥルーヴ・ガネーシュ, シッダールタ・メノン, リシャブ・チャッダー

レビュー

●すごくよくわかる。 一緒にいるこの時を大事にしたい。 大事な時を思い出作りで埋めようとするひとり。 そして、少しでも長く触れ合っていたいひとり。 やり方は違っても、素直な心は相手を貪欲に求め、相手の中にある自分の居場所を確認したがっている。 でも、手放しにそうはできない。 互いの生きている現実があって、溺れてしまえない理性。 離れて暮らす違う世界を生きるふたり。
●何にも言わないもんだから、お節介やきに行きたくなるくらい沈黙の多いこと! ひたすらやきもき。
●二人の距離感が切なくて、見終わったあとになんとも言えない寂しさがあった。 サヒルの目がとても印象的でまばたき一つに見惚れてしまった。
●インドでは珍しいLGBTQ映画。 静かな映画で自分には合わないと思ったけど、意外と心に残ったというか今でも引き摺ってるほど心がずーんと沈んでるのでとりあえず書き出す。 友人同士のサヒルとジェイが遠出し辿り着いた渓谷のシーンが印象的だった。切り立った岩石だけの殺伐とした景色のはずなのに岩の形を照らす太陽の光がとても美しかった。岩の壁に囲まれた彼らの姿が淡く儚い存在に思えてくる。同時に、寛いだ穏やかなサヒルの表情とどこか不服そうなジェイの表情との繊細な動きがくっきりと映し出され色鮮やかなシーンだった。誰もいない二人だけの渓谷で彼らを結び付けるものは果たして本当に友情なのか、と問われるようなシーン。原題のLOEV、VとEが逆になっているのはジェイがサヒルをたまらなく好きで、友人から恋人に逆転しようとしてることを表してるのかな?と陳腐な解釈をしてみたり(絶対違うんだろうけど) ジェイ自身サヒルへの恋心はかなわないと分かっていたから、サヒルに嫌いになってもらえれば諦められると思って後々彼にあんなことをしたんじゃないかな。それでもサヒルはジェイに優しくした。それがジェイを余計に苦しめて、あまりにも切ないと思った… 自分語り御免なんだが私も歳上のお姉さんを好きになって気持ちは伝えずに友人として接していたけれど突然捨てられた身なのでジェイの気持ちが分かりまくる。 サヒル演ずるドゥルーヴ・ガネーシュさんが凄く可愛らしかった。特に蝋燭をフッと消すシーンの眼差しの美しさに虜になる。亡くなっていたことが本当に悲しい。これが遺作らしく、それでいて彼の演技は素晴らしく輝いていた。
●インド映画にも同性愛を扱った物があるのね。 恋人とうまく行かなくて自分好きだとわかってる人に甘えまくって振り回すサヒルの事が好きにはなれなかった…しかしジェイの怒りのぶつけ方も最悪だわー もう振り回される権利も失ってしまった インドの観光地(?)巡りみたいだった。見慣れない景色で楽しい 恋愛ものって基本良くわからんのよなと恋愛もの見るたび噛みしめてる気がする。
●いいラスト!せつない!こんな感じのインド映画もあるんだ! 友人同士の旅行みたいな顔してるけど、のっけから結構イチャついてますね。誕生日にそんな旅行に送り出す彼氏もなかなか心広い。。。 もうどうしようもないよね、こうなっちゃったら、友達でもいられないわ。
●話は思ってたよりも幸せじゃない。 でもBLをネタにした感じじゃなくて、 1つの恋の形として描いてたから、 好感持てました。 リアルにドキッとしたし… (製作側の趣味嗜好として作られた感じのは苦手なので…。) それにしてもお互い口数少ない。 関係性が分からないのもそうだけど、 肝心なところで黙るね。 ジェイ、サヒルお互いにも、 視聴者側にもそれでは伝わらないよ(泣)
●インド版『ブエノスアイレス』という感じ。雰囲気がなんとなく似てる気がする。主演俳優が若くして亡くなっている点も含め…。お互い好き合ってるけど、付き合っても上手くいかないって気づいてるんだと思う。(セクシャリティの描写から察するにサヒルはゲイだけど、ジェイはストレート寄りのバイではないだろうか)インド映画に対するステレオタイプを壊してくれる良い作品だった。
●素人が作った自主制作映画並みのクオリティ。 見様見真似で欧州映画のスローテンポやアート感を出そうという意図は垣間見られる。 不必要に長いカットがあるかと思えば無駄なカット割に無駄なセリフのやりとり、無駄なモブ人物を扱う割には主な人物の背景が説明不足。カメラワークも無頓着過ぎる。 興行収入の多いボリウッドでもやはり発展途上国のコンテンツと言わざるを得ない。製作費100万ドルというのは、インドでは限られたリソースであるクリーンな景色や高級な場所や物を頑張って揃えて絵作りするためだけに使われたのでは、と思えてしまう。 南アジア在住のため、登場人物の奇怪な言動には耐性はあるし行動原理も理解はできるが、とにかく描写不足のために現地人にさえも同性愛への理解を深めるような役割をこの映画は果たせていない。 でも後半の2人の切なさは表現されている点は評価できる。これは俳優の優秀さと、邪魔なセリフがほとんど無かった賜物。

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